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実は、私れんれんは、元カカオ市の保健師、課長職だったの。
え?そうなの、じゃぁ今日はれんれんが経験したお話し?
そうよ。カカオ市のミッションは「生活習慣病予防で壮年期の早世をゼロに!をめざす健康づくりプログラムの全市展開」だったの。
わぁ、働く世代の健康づくりだね。健康長寿にむけても大事だね。
そのとおり。3年間のプロジェクトだったんだけど、しょっぱなが部長からのこの一言。「ユーカリ市のサンキュウプログラムをそのまま使うぞ。この分野で高名なE大学のF教授のお墨付きをもらった」だったの。
え~?!それってトップダウンっていうこと?
まぁね。でもね。私達には住民や関係機関への説明責任があるし、ミッションである壮年期の早世をゼロにするために、その時に入手可能で最良のエビデンスに基づいて行動する必要があるので、導入する事例は、複数の候補をあげて比較検討して判断することにしたのよ。
へぇ、そうなんだぁ。。。さぁ、ここであなたの出番だよ。この判断って正しい? 正しくない? どちらかを選んでね。
オーライ。これは正しい判断だね。今、手に入る一番いいものを使うのが定石だということ。それを検討する手続きを踏むことが大事なんだ。
ウキウキ~!
図は、先進優良事例の探し方をまとめたものだよ。1回目にも出てきた内容を整理したんだ。公費を使って行う事業の正当性は、これらのうち複数の方法を用いて、多角的に検討してほしい。
検索の仕方の具体例は、最後にレクチャーするから、そこで押さえてくれたまえ。
(パタパタ)
それでね。部長にも理解してもらって、導入する先進優良事例を、複数の候補から比較検討して選んだの。
やったぁ、公正な手続きが採れたんだねぇ!
そうなの。結局ユーカリ市のプログラムが選ばれたんだけど、堂々と説明できる根拠資料ができて、部長も喜んでくれたのよ。
うほうほ~!それで先進的で優良だというのをどうやって判断したの?
そこ気になるよねぇ。えぴトレの1回目にはドナベディアンのケアの質評価の枠組み、つまりアウトカム、プロセス、ストラクチャーの3つの側面から比較検討したのを覚えてる?
うほうほ、覚えてるよぉ~。
もちろん、優良かどうかを判断するのに、その枠組みを使ったんだけど、先進性という点も重視して、さらに比較する項目を増やしたのよ。
へぇ~、どうしてどうしてぇ?
それはね、このミッションが、3年で全市展開というゴールを設けていて、効果があるという根拠だけでなく、住民や関係機関が興味を持ってすぐに取り組みたいと思えるように、新しい!斬新!今注目されてる!といった先進性の根拠も重視したからなの。
ワクワク~!それってミッションの達成をめざしてのことだったんだねぇ。では、ここで、あなたに質問するよ。この先進性の比較項目を設けたことは、正しい?正しくない?どちらかを選んでね。
オッケー、迷いはなかったかい?これは正しい行動といっていいね。既に成果をあげている先進優良事例とはいえ、カカオ市の人たちには初めての事業になるわけだから、全体に早く認知され、皆に受け入れられるには、注目を集める先進性の要素が欠かせないんだ。
ウキウキ~!
でもね、気を付けて。実は目立つだけじゃだめなんだ。優良性の評価、つまり効果があるというエビデンスを伴う必要があるんだ。図のように先進性と優良性をセットで評価するんだよ。分ったかい?
実はもうひとつ、転用可能性という視点が大事なんだけど、これはあとで説明するから楽しみにしていておくれ。
(パタパタ)