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次はエビデンスの確認方法だね。どうやったのか教えて~!
いいわよ。壮年期の健康づくりのためにユーカリ市のサンキュウプログラムを、わがカカオ市に導入することになった決め手は、なんといってもプログラムが有効という証拠があったからなの。
ワクワク~!それってアウトカム評価ってこと?
そのとおり!参加者が、食事・運動・社会参加の3つの分野の目標を立てて、3人一組で、3か月、健康づくりに取り組むと、分野が2つ以下の場合や、1人か2人で取り組む場合よりも、目標の達成率が高い、という結果がユーカリ市のホームページに出ていたの!
ウキウキ~!それってこの間のレクチャーにあったPICOと関係あるのぉ?
すごいわ、たぁコ、大ありよ。それに3つの目標、3人一組、3か月と、3を3つ足すと9になるでしょ。それがサンキュウプログラムという命名のもとになっていて、しかもそれが健康によくってサンキュウって言いたいプログラムなもんだから、すごくインパクトがあって、これは使えるって思ったのよ!
へぇ~、そうなんだぁ。じゃ、ここであなたに質問だよ。今れんれんが説明したことは、エビデンスを確認する方法として、正しい?正しくない?どちらかを選んでね。
いいねぇ。選んでくれてありがとう。どうしようか悩んだとしたら、そんな君が正しいんだよ。なぜなら、れんれんの説明では、介入の有効性が、厳密な手続きで行われたかどうかが判断できないからなんだ。
しおしお~⤵
確認したエビデンスはタイプ2の介入の有効性だったね。問題の定式化PICOは、P、Participant 参加者が、I、Intervention サンキュウプログラムに参加すると、C、Comparison 他の方法で参加した者よりも、O、Outcome 目標達成率が高いか?だった。
うほうほ~!
これを明らかにする研究デザインを図に示したよ。つまり、エビデンスLevel IIの適切に設定されたランダム化比較試験か、Level III ランダム化されていないが適切に設定された比較試験、いわゆる準実験的研究が行われ、その結果がエビデンスになるんだ。
ウキウキ~!
そして、そのエビデンスを我々が使うには、査読のある雑誌に論文として掲載され公表されていることが大事なんだ。だから、ホームページに書かれた内容だけでなく、エビデンスが掲載されているもとの論文を確認するのが正しいことなんだ。わかるかい?
(パタパタ)
れんれんは視察にもいったんだよね。どうだったぁ?
とぉ~っても役に立ったの。百聞は一見に如かずよねぇ。
へぇ~、何が一番よかったのぉ?
それはね、部長さんと現場のスタッフの、市民の健康増進への半端じゃない使命感と熱量に直接触れたこと。別々に話を聴いたんだけど、全員がぶれてないと思ったの。そりゃ成果が上がって当然と思った。
ウキウキ~!それでいったい何を見てきたのぉ?
あのね、1泊2日でね、拠点になってるセンターと推進チーム、プログラムの成果発表会と参加者の人たち、バックアップしている大学の研究チームに会って、実際の活動の見学とヒアリングをさせてもらったのよ。
うほうほ~!盛りだくさんの視察だったんだぁ。
確認できたエビデンスはね、参加者の最新の成果、企業や地区組織への普及件数とその過程、市内全域への推進体制とスタッフの動き、大学との協働の実際だった。これがカカオ市の新規事業計画に転用できて、とても役に立ったの。
へぇ~、よかったねぇ。さてさて、ここであなたに質問するよ。この視察の仕方は、正しい?正しくない?どちらかを選んでね。
グッドグッド。これは、言わずもがな、正しい視察に違いない。実際の活動に参加したり、現地でいろんな人に会ってヒアリングをしている。そして、現地でしか手に入らないエビデンスの確認ができていたね。
ウキウキ~!
表には、視察で確認できるエビデンスを、エビデンスのタイプ別に整理してみたよ。論文や報告書ではタイプ1と2のエビデンスは確認しやすいけれど、タイプ3は視察に行くことで、より多くゲットできる内容だと思わないかい?
(パタパタ)